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第1土曜特集 健康危機への備えと対応――パンデミックと能登半島地震を踏まえた社会とシステムのあり方
社会・経済・制度政策の視点から
ヘルスセキュリティと健康医療介護の社会システム
Health security and social systems for well-being
今中 雄一
1,2,3
Yuichi IMANAKA
1,2,3
1京都大学大学院医学研究科健康危機管理システム学分野/医療経済学分野
2同ヘルスセキュリティセンターセンター長
3同社会健康医学系専攻専攻長
キーワード:
ヘルスセキュリティ
,
健康危機管理
,
保健・医療・介護
,
危機に強い社会
,
ウェルビーイング
Keyword:
ヘルスセキュリティ
,
健康危機管理
,
保健・医療・介護
,
危機に強い社会
,
ウェルビーイング
pp.123-128
発行日 2025年4月5日
Published Date 2025/4/5
DOI https://doi.org/10.32118/ayu293010123
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近年,地球的な気候変動の影響もあり,世界で自然災害が増え,人々の健康が危機に曝される場面が多くなってきている.台風や豪雨による風水害,土砂災害,地震災害も毎年のように起きている.能登半島地震も大きなダメージを及ぼした.新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックをも経験したところであるが,加えて,サイレントパンデミックとされる薬剤耐性(AMR)の蔓延もG7サミットでの重要課題となっている.人口減少社会や経済低成長で静かに進む社会保障財源,医療財源の逼迫も迫り来る危機である.これらを踏まえ,より有効な健康危機管理(ヘルスセキュリティ),そしてその研究・人材育成の強化が世界的に必要となってきており,多様な学問分野やセクターの協働が求められる.健康危機に強い社会を構築するプロセスは,健康,教育,経済などの諸側面において,人々が安全に暮らし,成長し,自己実現し,ウェルビーイングと持続可能な発展を実現するための基盤づくりの過程でもある.

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