特集 COVID-19パンデミック 振り返りと将来への備え
【COVID-19診療・対策振り返り編—新型コロナウイルスが教えてくれたこと】
—行政・国際保健—COVID-19対応から見えてきた「健康危機管理」の重要性とその変遷
松澤 幸正
1,2
1国立国際医療研究センター・国際感染症センター
2国際感染症危機管理対応推進センター運営室
キーワード:
COVID-19
,
新型コロナウイルス感染症
,
健康危機管理
,
国際保健規則
,
危機管理医薬品の臨床研究開発
,
感染症危機管理専門家養成プログラム
Keyword:
COVID-19
,
新型コロナウイルス感染症
,
健康危機管理
,
国際保健規則
,
危機管理医薬品の臨床研究開発
,
感染症危機管理専門家養成プログラム
pp.55-59
発行日 2023年1月15日
Published Date 2023/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429204113
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2022年12月現在、世界では、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)にとどまらず、WHO(世界保健機関)による「M痘(mpox)」の公衆衛生上の緊急事態(Public Health Emergency of International Concern:PHEIC)宣言、ウガンダにおけるスーダンエボラウイルスによる「エボラ出血熱」(p.70)のアウトブレイクなど、感染症の危機管理事案が絶えず発生している。今後、感染症危機管理にあたるステークホルダーの協力を、より強固なものとしていくために、どのような課題をクリアしていく必要があるだろうか。
筆者は、感染症臨床専門家として勤務後、大学院にてパンデミックインフルエンザに関わる基礎研究を行ったあと、感染症危機管理専門家(Infectious Disease Emergency Specialist:IDES)養成プログラムに所属し、2020年度は厚生労働省の新型コロナウイルス感染症対策推進本部、2021年度は米国保健福祉省の事前準備・対応担当次官補局(Office of Assistant Secretary of Preparedness and Response:ASPR)にて感染症危機管理に携わった。その経験を踏まえ、感染症対策における「健康危機管理」の重要性などについて、行政および国際保健の観点から整理したい。
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