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第1土曜特集 健康危機への備えと対応――パンデミックと能登半島地震を踏まえた社会とシステムのあり方
はじめに
Introduction
今中 雄一
1
Yuichi IMANAKA
1
1京都大学大学院医学研究科ヘルスセキュリティセンターセンター長
pp.1-1
発行日 2025年4月5日
Published Date 2025/4/5
DOI https://doi.org/10.32118/ayu293010001
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- Abstract 文献概要
近年,地球的な気候変動の影響もあり,世界で自然災害が増えている.2020年からは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックをも経験した.毎年,わが国でもどこかで風水害や土砂災害が生じ,2024年に能登半島地震が起き,地震災害も頻発化している.健康危機に対し命と健康を確保していくことが極めて重要な社会課題となっている.突発的な災害が生じると,救急医療体制の確保や生活インフラ整備の急速な展開が求められる.加えて,健康を守れる環境の整備,感染症の予防・対策,避難所の設営や運営,要配慮者のケア,生活不活発病の予防など,課題が山積する.一方で,薬剤耐性の蔓延(サイレントパンデミック)や,人口減少社会で静かに進む社会保障財源や医療財源の逼迫も大きな健康危機である.
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