Japanese
English
特集 巨大災害に備えるための災害医療――発災前の備え,発災直後の体制,発災後中長期的健康課題の解決
巨大災害に対するメンタルヘルスの備え
-――東日本大震災,福島第一原子力発電所事故からの教訓
Mental health preparedness for large-scale disasters
――Lessons learned from the Great East Japan Earthquake and Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant Accident
國井 泰人
1
Yasuto KUNII
1
1東北大学災害科学国際研究所災害精神医学分野
キーワード:
巨大災害
,
メンタルヘルス
,
東日本大震災
,
原子力発電所事故
,
DPAT(災害派遣精神医療チーム)
Keyword:
巨大災害
,
メンタルヘルス
,
東日本大震災
,
原子力発電所事故
,
DPAT(災害派遣精神医療チーム)
pp.159-164
発行日 2025年1月11日
Published Date 2025/1/11
DOI https://doi.org/10.32118/ayu292020159
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
日本では阪神・淡路大震災以降,災害後のメンタルヘルスが注目され,被災地にこころのケアセンターが組織されるようになった.さらに,東日本大震災以後,DPAT(災害派遣精神医療チーム)が組織され,発災直後から効率的な災害医療連携,支援が可能となり,その後の熊本地震や今般の令和6年能登半島地震などで成果を上げている.また,東日本大震災の津波により引き起こされた原子力発電所事故は前例のない事象であり,収束のみえない事故後の状況は地域住民のメンタルヘルスに広範で長期的な影響を及ぼすことが示されており,今後は,原子力災害はふたたび起こりうるという前提のもとで備えを進める必要がある.本稿では,東日本大震災で得られた成果と課題を整理し,首都直下型地震や南海トラフ地震のような大規模で長期の支援体制が必要となる事態への備えを検討する.
Copyright © 2025 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.