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第1土曜特集 性差医学の現在地――最新知識とエビデンス
性差医学・医療
-――ベッドサイドからジェンダード・イノベーションまで
Gender medicine
――From bedside to gendered innovation
片井 みゆき
1
Miyuki KATAI
1
1国立大学法人 政策研究大学院大学 保健管理センター 所長・教授
キーワード:
性差医学・医療
,
ジェンダード・イノベーション(GI)
,
更年期症状
,
デジタルヘルス
,
個別化医療
Keyword:
性差医学・医療
,
ジェンダード・イノベーション(GI)
,
更年期症状
,
デジタルヘルス
,
個別化医療
pp.946-952
発行日 2024年9月7日
Published Date 2024/9/7
DOI https://doi.org/10.32118/ayu290100946
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性差医学・医療は,病態,診断,治療,予防などにおける生物学的性差,社会・文化的性差,ライフステージを配慮し,診療の質と精度の向上を目指す.ジェンダード・イノベーション(GI)は,性差を考慮し科学技術などの革新を促進する.また,ICTを活用するデジタルヘルスは,遠隔医療やAIによる解析などの質の高い医療サービスの提供を可能にする.日本におけるGI先進例として,日本医療研究開発機構(AMED)受託研究『女性診療を支援する「AI診断ナビゲーションシステム:WaiSE」の開発』があげられる.WaiSE(ワイズ)は,デジタルヘルスを用いて性差医学に基づき女性の多様な症状を把握し,可能性がある疾患と鑑別に必要な検査,受診科を提示し,性差を考慮した個別化医療へ導く.医療者が臨床での課題に気づきイノベーション・マインドを持つことで,新たな診断,治療,疾病予防へつながる可能性がある.今後も性差医学とGIの進展により,包括的で公平な医療が提供されることが期待される.
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