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第5土曜特集 内分泌疾患の温故知新――日本内分泌学会創設100周年を目前にして
性腺
性分化疾患の考え方
-――Update
Concept of disorders of sex development
――Update
齋藤 洋子
1
,
鹿島田 健一
1
Yoko SAITO
1
,
Kenichi KASHIMADA
1
1東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科発生発達病態学分野
キーワード:
性分化疾患(DSD)
,
アンドロゲン
,
セックス
,
ジェンダー
,
性的マイノリティ
,
社会的性決定
Keyword:
性分化疾患(DSD)
,
アンドロゲン
,
セックス
,
ジェンダー
,
性的マイノリティ
,
社会的性決定
pp.802-807
発行日 2024年8月31日
Published Date 2024/8/31
DOI https://doi.org/10.32118/ayu290090802
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性分化は,広くは受精卵から生殖能を獲得するまでの過程を意味する.一般に臨床の場で “性分化” とよぶ場合,胎生期に解剖学的性差が形成される過程を指す.性分化疾患(DSD)は性腺,内外性器の分化形成が非典型的な状態と定義される(図1).DSDは以前には半陰陽やインターセックスといった言葉で表されたものを含むが,差別的なニュアンスのある言葉の使用を避けることが提言され,DSDが用いられるようになった1).DSDは幅広い疾患群の総称であり,さまざまな要因による.非典型的な内外性器を有するDSDは後述する社会的性決定などの医療的行為を必要とすること,さらには先天性副腎過形成(CAH)による副腎不全など生命予後に直結する病態が潜む可能性があることなどから,速やかな高度専門医療による対応が必要な疾患である.本稿では,DSDの病態を解説すると同時に,DSDの臨床上最も大切な点,すなわちセックスとジェンダーの区別とその理解を深めることを中心に,解説を加える.
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