Japanese
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TOPICS 神経内科学
脳内乳酸バイオセンサーLACCO(ラッコ)シリーズの開発
LACCO series:intracerebral lactate biosensors
那須 雄介
1,2
Yusuke NASU
1,2
1東京大学大学院理学系研究科化学専攻
2科学技術振興機構
pp.589-591
発行日 2024年8月24日
Published Date 2024/8/24
DOI https://doi.org/10.32118/ayu290080589
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古くて新しい分子,乳酸
乳酸(lactate)は19世紀から知られる重要な代謝物質で,現代医学ではさまざまな疾患のバイオマーカーとして活用されている.一方,近年の研究結果から乳酸は体内でエネルギー源として再利用されたり,多彩な細胞現象を引き起こすシグナル分子として働くことがわかってきた.たとえば,神経細胞は周辺のグリア細胞(アストロサイト)から乳酸を取り込み,グルコースよりも乳酸を使ってその活動に要するエネルギーを賄うとするANLS(astrocyte-neuron lactate shuttle)仮説が提唱されている1).この乳酸の機能に関する再評価はアンデルセンの「みにくいアヒルの子」に喩えられ,乳酸動態の研究が非常に活発になってきている2).
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