整形トピックス
汗乳酸計測ウェアラブル機器の開発
中島 大輔
1
1慶應義塾大学整形外科
pp.1068-1068
発行日 2024年9月1日
Published Date 2024/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei75_1068
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昨今,液体内物質濃度の連続的計測が可能な化学センサの開発が世界各国で行われている.筆者らはこれまで非侵襲的に計測可能な生体物質の中でも汗に着目し,化学センサを用いた汗内成分の濃度計測研究を行ってきた.乳酸は汗の中に分泌される物質のうち比較的高濃度な物質であり,運動強度による濃度変化が予測される物質である.乳酸値を計測することに関して,医療では運動中の有酸素/無酸素代謝の感知を目的として血中乳酸計測を運動中に連続的に行いたいニーズが存在するが,運動中の採血は困難である.そのため,別の手段として呼気ガス分析装置を用いた運動負荷検査が行われているが,同検査は装置のサイズ,価格面,煩雑さにより頻繁かつ対象患者全員に使用できるものとはいいがたい.上記を背景にわれわれは,乳酸値を非侵襲かつ連続モニタリング可能なウェアラブル機器の開発を行ってきた.現在までに使い捨てセンサチップ部とライターサイズの本体部からなるデバイスを開発している(図1).
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