今月の主題 医用センサー
センサー
酵素センサー・1—バイオセンサー
大澤 久男
1
Hisao OHSAWA
1
1㈱富士電機総合研究所
pp.998-1002
発行日 1985年9月15日
Published Date 1985/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542912657
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1.はじめに
最近のバイオセンサーの技術進歩は著しく,その応用には目覚ましいものがある.バイオセンサーは,これまで紹介1)されているように,主に生体関連物質の定量に適用されているセンサーで,分子識別デバイスである固定化生体触媒と,電気化学デバイスとから構成されている.生体触媒の種類や,組合せる電子化学デバイスにより,種々のバイオセンサーを製作することが可能で,その種類は1),①酵素センサー,②微生物センサー,③酵素・微生物ハイブリッドセンサー,④免疫センサーおよび⑤オルガネラセンサーが挙げられる.これらの中には既に製品化されたものもあり,また,実際にはまだ市販されてはいないが,企業側での実用化技術が確立しているものなど,少なくない.
ここでは,バイオセンサーとして最初に実用化された酵素センサー(固定化酵素膜—電極,固定化酵素カラム—電極)を採り上げ,酵素センサーの背景ならびに実用化レベルでの諸特性を紹介し,さらに,将来のバイオセンサーの展望について私見を述べることにした.
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