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特集 気候変動と医療
はじめに
Introduction
橋爪 真弘
1
Masahiro HASHIZUME
1
1東京大学大学院医学系研究科国際保健政策学,Planetary Health Alliance日本ハブ
pp.209-209
発行日 2024年7月20日
Published Date 2024/7/20
DOI https://doi.org/10.32118/ayu290030209
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- Abstract 文献概要
気候変動による健康影響が喫緊の課題であることは論を俟たず,広く世界で認識されている.2022年2月に公表された気候変動に関する政府間パネル(Intergovernmental Panel on Climate Change:IPCC)第2作業部会第6次評価報告書では,気候変動によりすでに大きな健康影響が生じており,今後,気温の上昇に伴ってその影響は大幅に増加すると予想されることが報告された.健康への影響を回避,軽減するためには,医療システムの気候変動に対する耐性を強化し,水・大気・食料システムなど環境的決定要因を健全な状態に保つことが重要であることが強調された.また,緩和策と健康増進をともに進める健康コベネフィットは高い経済的利益を生むことが示唆され,全二酸化炭素排出量の約5%を占める医療分野におけるカーボンニュートラルを進めることの重要性が示された.
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