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第1土曜特集 “かたちづくり” を制御する分子メカニズム
形態形成の分子メカニズム
多能性幹細胞を用いた初期ヒト胚モデルの構築
Construction of early human embryo model using pluripotent stem cells
大久保 巧
1
,
髙島 康弘
1
Takumi OKUBO
1
,
Yasuhiro TAKASHIMA
1
1京都大学iPS細胞研究所未来生命科学部門
キーワード:
初期ヒト胚発生
,
ナイーブ型多能性幹細胞
,
三次元ヒト胚モデル
,
原始内胚葉
Keyword:
初期ヒト胚発生
,
ナイーブ型多能性幹細胞
,
三次元ヒト胚モデル
,
原始内胚葉
pp.4-9
発行日 2024年7月6日
Published Date 2024/7/6
DOI https://doi.org/10.32118/ayu290010004
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ヒトの胚発生は受精卵という1つの細胞からはじまり,細胞分裂や分化を繰り返しながら数十兆個もの細胞で構成された個体を形作る.その間,細胞同士は互いにコミュニケーションを取りながら協調的に発生し,体の向きや複合的な組織および臓器を形成していく.この複雑なメカニズムを解き明かすことは,ヒトの胚発生の理解を深めるだけでなく,胚発生を部分的に再現し,目的の細胞や臓器の作出を目指す再生医療の発展にも役立つ.しかし,ヒト胚は生命の萌芽であることから生命倫理的な制約があり,ヒト胚を用いた研究は困難である.特に着床直後の子宮内胚を観察することはほぼ不可能であり,この時期のヒト胚発生はブラックボックスである.近年,ヒト多能性幹細胞から初期胚様の構造を再現する三次元ヒト胚モデルが報告され,初期ヒト胚発生を研究するためのツールとして注目を集めている.本稿では,ヒト胚モデルに関連した最新の知見を概説するとともに,筆者らの研究内容について紹介したい.
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