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第1土曜特集 基盤病態としての慢性炎症
慢性炎症による眼疾患
-――加齢黄斑変性の病態メカニズム
Chronic inflammation in the eye;pathogenesis of age-related macular degeneration
小沢 洋子
1
Yoko OZAWA
1
1聖路加国際大学,同病院眼科
キーワード:
慢性炎症
,
生活習慣病
,
網膜
,
失明
,
脂質
Keyword:
慢性炎症
,
生活習慣病
,
網膜
,
失明
,
脂質
pp.75-80
発行日 2022年7月2日
Published Date 2022/7/2
DOI https://doi.org/10.32118/ayu2820175
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慢性炎症が引き起こす眼疾患に加齢黄斑変性(AMD)がある.神経組織である網膜の中心部(黄斑)に生じるため,中心視力を脅かす.失明原因のうち,国内では第4位,米国では第1位である.50歳以上の1%以上が罹患し,超高齢社会では社会問題である.網膜の裏打ち構造にあたる脈絡膜に起因する疾患とされ,眼球のなかでは観察しづらい部位であることからこれまで不明の点が多かった.しかし近年の検査機器などの発達により,病態解明は飛躍的に進んだ.発症の危険因子には加齢,喫煙のほか,メタボリックシンドロームや脂質代謝異常に関連するものがある.特に脂質代謝については眼局所における蓄積だけでなく,マクロファージに蓄積して慢性炎症を引き起こすメカニズムが提唱された.ここではAMDの慢性炎症との関連を疫学的データや動物実験のデータとともに解説する.
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