Japanese
English
第5土曜特集 血管・リンパ管研究の最前線と治療への展開
血管の形成と制御因子
Ephrinファミリーによる血管形成制御
Role of ephrin family proteins in angiogenesis
松野 愛瑠
1
,
匹田 貴夫
1
,
中山 雅敬
1
Eru MATSUNO
1
,
Takao HIKITA
1
,
Masanori NAKAYAMA
1
1岡山大学研究・イノベーション共創機構医療系本部
キーワード:
Ephrin-B2
,
血管新生
,
細胞極性
,
血管内皮増殖因子(VEGF)シグナル
Keyword:
Ephrin-B2
,
血管新生
,
細胞極性
,
血管内皮増殖因子(VEGF)シグナル
pp.960-963
発行日 2024年6月29日
Published Date 2024/6/29
DOI https://doi.org/10.32118/ayu289130960
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血管は,心臓から送り出された血液を通して酸素や栄養,免疫細胞,ホルモンの循環に加え,二酸化酸素や代謝物など不用物の除去に重要な役割を担う.発生初期において新規に血管を形成するプロセスが脈管形成(vasculogenesis)とよばれるのに対し,既存の血管から新しい血管を形成するプロセスは血管新生(angiogenesis)とよばれる.受容体型チロシンキナーゼであるEph受容体群は,リガンドである膜貫通型タンパク質ephrinと結合し,細胞間で双方向のシグナル伝達を行うことが知られている.成熟個体において動脈系血管内皮細胞のマーカーとして知られるephrin-B2は,発生過程において脈管新生における動静脈の分化を制御し,血管新生時に血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)のエンドサイトーシスと,それに伴うシグナル伝達を制御し,tip細胞の動体をコントロールすることが知られている.また,これらのシグナル伝達の異常は,時にがんなどの疾患の原因となることが近年示唆されている.本稿では,これらの知見について概説する.
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