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第1土曜特集 リンパ腫――病態研究と診療の最新知見
臨床の話題
DLBCLに対する二重特異性抗体療法
Bispecific antibody therapy for DLBCL
牧野 晴斐
1
,
蒔田 真一
1
Haruhi MAKINO
1
,
Shinichi MAKITA
1
1国立がん研究センター中央病院血液腫瘍科
キーワード:
二重特異性抗体(BsAb)
,
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)
,
免疫療法
Keyword:
二重特異性抗体(BsAb)
,
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)
,
免疫療法
pp.656-660
発行日 2024年6月1日
Published Date 2024/6/1
DOI https://doi.org/10.32118/ayu289090656
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びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)は化学療法への感受性が高く,初回治療により治癒が期待できる疾患である.一方で,既存の殺細胞性抗がん剤に対して治療抵抗性となったDLBCL患者に対して,有効な治療選択肢は限られていた.キメラ抗原受容体(CAR)-T細胞療法の登場により,再発/治療抵抗性DLBCLの一部の患者においてCAR-T細胞療法により治癒が得られる可能性が示唆され,免疫療法の重要性が認識されるようになった.一方で,CAR-T細胞療法はその複雑なロジスティクスや認定施設数の少なさから,必ずしも多くの患者が容易にアクセスできる治療法ではなかった.より多くの患者がアクセス可能な免疫療法として,複数の抗CD3xCD20二重特異性抗体(BsAb)の開発が進められ,その一部はわが国でも薬事承認を取得している.さらに,BsAbは “off-the-shelf” としての強みをいかし,一次治療への導入を検討したランダム化比較試験も複数進行中である.本稿では,抗CD3xCD20 BsAbの臨床成績と今後の展望に関して概説する.
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