臨床講義
メラノーマの治療
藤澤 康弘
1
Yasuhiro FUJISAWA
1
1愛媛大学医学部,皮膚科学,主任教授
キーワード:
メラノーマ
,
ガイドライン
,
免疫チェックポイント阻害薬
,
BRAF阻害薬
Keyword:
メラノーマ
,
ガイドライン
,
免疫チェックポイント阻害薬
,
BRAF阻害薬
pp.303-311
発行日 2024年3月1日
Published Date 2024/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000004454
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本邦でメラノーマ(悪性黒色腫)は一般にあまりなじみのない腫瘍であったが,1979年に国立がんセンター中央病院の石原和之先生が書かれた「ほくろのガン」という本1)によりその存在が知られるようになった。この本が出版された当時の推計値では年間のメラノーマの発生率は人口10万人あたり0.3人であったが1),近年では人口10万人あたり1~2人程度と推計されており2),増加傾向にある。欧米では本邦より発生率は数十倍高く,米国での発生数は乳癌/前立腺癌,肺癌,大腸癌に次ぐ第4位である3)。メラノーマは一旦転移をおこすと治療が難しく,多くの新薬が使えるようになった2011年(本邦では2014年)までは保険で使える進行期の治療薬がダカルバジンのみであったこともあり,当時の5年生存率は10%未満と非常に予後不良であった4)。本稿ではこの10年で大きく変化したメラノーマの治療について解説する。
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