骨折予防を目指した積極的な骨粗鬆症診療 骨粗鬆症の病因と病態に関する新たな展開
酸化ストレス
斎藤 充
1
1東京慈恵会医科大学 整形外科
キーワード:
生物学的マーカー
,
Collagen
,
加齢
,
骨基質
,
骨粗鬆症
,
骨粗鬆症-閉経後
,
糖尿病
,
Advanced Glycosylation End Products
,
骨組織リモデリング
,
酸化ストレス
,
腎機能障害
,
骨折-骨粗鬆症性
,
架橋(生体高分子)
,
骨質
Keyword:
Aging
,
Bone Matrix
,
Diabetes Mellitus
,
Collagen
,
Osteoporosis
,
Biomarkers
,
Osteoporosis, Postmenopausal
,
Bone Remodeling
,
Glycation End Products, Advanced
,
Oxidative Stress
,
Renal Insufficiency
,
Osteoporotic Fractures
pp.647-652
発行日 2013年4月1日
Published Date 2013/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2013155554
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酸化ストレスは,加齢,閉経,生活習慣病で高まり,破骨細胞活性を高め,骨芽細胞機能を低下させる.酸化ストレスは,主要な骨基質蛋白であるコラーゲンの翻訳後修飾である架橋形成に異常をもたらし,骨強度を低下させる.酸化ストレスの増大によりもたらされる架橋異常とは,骨芽細胞の機能依存性に形成される酵素性架橋の低形成と,終末糖化産物(AGEs;ペントシジン)の過形成である.酸化ストレスマーカーである尿中ペントシジンの高値は,独立した骨折リスクとなる.抗酸化作用を有する選択的エストロゲン受容体作動薬(SERM)は,骨コラーゲンの架橋異常を改善し骨強度を高める.
©Nankodo Co., Ltd., 2013