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第1土曜特集 不整脈学の新潮流――基礎研究・医工連携からAIの社会実装まで
不整脈領域におけるAIの発展と社会実装
ウェアラブルセンサと心拍変動解析による心房細動スクリーニングAIシステム
AI system for atrial fibrillation screening using wearable sensor and heart rate variability analysis
藤原 幸一
1
,
川治 徹真
2,3
Koichi FUJIWARA
1
,
Tetsuma KAWAJI
2,3
1名古屋大学大学院工学研究科物質プロセス工学専攻先進プロセス工学
2京都大学病院循環器内科
3三菱京都病院
キーワード:
心房細動(AF)
,
ウェアラブルセンサ
,
心拍変動解析
,
人工知能(AI)
Keyword:
心房細動(AF)
,
ウェアラブルセンサ
,
心拍変動解析
,
人工知能(AI)
pp.70-75
発行日 2024年4月6日
Published Date 2024/4/6
DOI https://doi.org/10.32118/ayu2890170
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心房細動(AF)は心不全につながる進行性の循環器疾患であり,早期発見が重要であるため,日常生活で使用できるAFスクリーニングシステムが望まれる.筆者らは,心拍変動(HRV)解析と機械学習(ML)を用いて,30拍のRRI(RR間隔)データのみからAFスクリーニングできるAIモデルを開発した.開発したモデルは,30拍のRRIデータから複数のHRV指標を抽出し,抽出されたHRV指標からMLモデルによってAF疑いの有無を判定する.さらに筆者らは,RRIデータを容易に計測できるウェアラブルセンサと,センサおよびクラウドと通信するスマートフォンアプリ,クラウド内部で実行されるAIモデルから構成されるAFスクリーニングAIシステムを開発している.開発中のシステムは,ウェアラブルセンサにて測定された患者の30拍のRRIデータを,アプリを介してクラウドにアップロードし,クラウド上のAIモデルで解析して,RRIデータを①正常,②期外収縮あり,③AF疑いの3種類に識別する.これまでに筆者らは,92人の患者から収集した184件のRRIデータを使用し,開発したAIシステムを前向きに検証した.その結果,精度,感度,偽陰性率は88.4%,95.6%,4.3%であった.現在,本AIシステムの実用化を目指して,さらなる精度の改善とアプリ開発を継続している.
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