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第1土曜特集 不整脈学の新潮流――基礎研究・医工連携からAIの社会実装まで
不整脈領域におけるAIの発展と社会実装
心房細動の早期発見を目指したAI心電図の社会実装
Social implementation of AI-ECG for early detection of atrial fibrillation
増村 麻由美
1
Mayumi MASUMURA
1
1静岡市立清水病院循環器内科医長
キーワード:
心房細動
,
AI心電図(AI-ECG)
,
社会実装
,
健診
Keyword:
心房細動
,
AI心電図(AI-ECG)
,
社会実装
,
健診
pp.76-80
発行日 2024年4月6日
Published Date 2024/4/6
DOI https://doi.org/10.32118/ayu2890176
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心房細動は心原性脳梗塞の原因となり,健康寿命を損なう大きな要因のひとつとして社会的な重要性を持つ疾患である.しかし,洞調律時の心電図では異常がみられないことから,心房細動の早期発見が困難であることが課題であった.近年,人工知能(AI)により洞調律の心電図における心房細動の予測精度が向上し,AI心電図(AI-ECG)による心房細動スクリーニングの有効性が注目されている.筆者らは,東京医科歯科大学,静岡市,清水医師会の共同研究としてSPAFS(Stroke Prevention by early detection of AF in Shimizu)を立ち上げ,静岡市清水区の健康診断(以下,健診)にAI解析を実装し,心房細動の早期発見を目指したわが国初のAI-ECG実証実験を展開している.AI-ECGの社会実装にあたり,AIの技術開発のみならず,結果の共有システム構築や医療連携,地域全体でのヘルスコミュニケーションなど,多岐にわたる体制を整備し,有効性の検証を行っている.また,AI-ECGの社会実装が成功することで,健診における心電図の意義が変化する可能性が予想され,AI-ECGは今後の健康施策変革への大きな一手になることが期待される.
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