Japanese
English
第5土曜特集 遺伝統計学の新潮流――新規創薬・個別化医療への挑戦
遺伝統計学とゲノム創薬
製薬業界におけるゲノム創薬の活用
Genomic drug discovery by pharmaceutical companies
吹田 直政
1
Naomasa SUITA
1
1小野薬品工業株式会社創薬テクノロジー研究部
キーワード:
ゲノム創薬
,
臨床試験の成功確率向上
,
バイオバンク
,
eQTL(expression quantitative trait locus)
,
pQTL(protein quantitative trait locus)
Keyword:
ゲノム創薬
,
臨床試験の成功確率向上
,
バイオバンク
,
eQTL(expression quantitative trait locus)
,
pQTL(protein quantitative trait locus)
pp.1249-1253
発行日 2024年3月30日
Published Date 2024/3/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu288131249
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
画期的な新薬は世界中の患者を救うことにつながり,その社会貢献度は極めて高い.一方で,臨床試験におけるヒトの反応は予測がつかないことが多く,薬剤として承認されるのは臨床入りした全体の10%にすぎない.近年,ヒトゲノム情報の活用によって創薬の成功確率を向上できることが報告され,打開策として注目されている.がんや希少疾患では,病態と結びつきの強い遺伝子や変異が明らかになることで,これらを狙った薬剤が多数成功している.Common diseaseにおいては,適応疾患に近しい臨床フェノタイプやタンパク質相互作用(PPI)でつながっている標的に目を向けることで,ヒトゲノム情報を役立てることができる.製薬企業の活動も活発であり,バイオバンクを中心としたヒトゲノム情報へのアクセスやヒトゲノム情報を解釈するためのシングルセルeQTL(expression quantitative trait locus)やpQTL pQTL(protein quantitative trait locus)研究が報告されている.
Copyright © 2024 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.