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第5土曜特集 難治性免疫疾患――病態解明と新規治療戦略
疾患
高安動脈炎の遺伝学的・免疫学的メカニズム
Genetics and autoimmunity of Takayasu arteritis
吉藤 元
1
,
寺尾 知可史
2
Hajime YOSHIFUJI
1
,
Chikashi TERAO
2
1京都大学大学院医学研究科内科学講座臨床免疫学
2理化学研究所生命医科学研究センターゲノム解析応用研究チーム
キーワード:
高安動脈炎
,
IL-12
,
HLA
,
CD8陽性T細胞
,
自己抗体
Keyword:
高安動脈炎
,
IL-12
,
HLA
,
CD8陽性T細胞
,
自己抗体
pp.735-741
発行日 2021年5月29日
Published Date 2021/5/29
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27709735
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高安動脈炎(Takayasu arteritis)は多因子遺伝疾患に含まれるが,多因子遺伝疾患の解析法はめざましく進歩しているとともに,複雑化し,理解困難になってもいる.比較的単純と思われる希少疾患のモデルを解明してからcommon diseaseに広げるという戦略も重要である.高安動脈炎は若年女性の大型動脈を侵す難病で,日本の患者数が約6,000人と少ないが,遺伝子研究結果をもとに治療法を考えるよいモデルと考えられる.もともとは知名度が低く,治療法も乏しい疾患であったが,病態解明とともに近年,盛んにランダム化比較試験が行われつつある.本稿では発症感受性遺伝子,サイトカイン,自己抗体,新規治療に関する厳選した情報をわかりやすい図を用いて解説する.さらに,細胞性免疫と液性免疫に関する対立する2つのエビデンスについて仮説を用いて議論する.
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