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連載 臨床医が知っておくべき最新の基礎免疫学・第22回
免疫疾患とゲノム医科学
Immune diseases and genomic medicine
山本 一彦
1
Kazuhiko YAMAMOTO
1
1理化学研究所生命医科学研究センター自己免疫疾患研究チーム
キーワード:
自己免疫疾患
,
遺伝因子
,
ゲノムワイド関連解析(GWAS)
,
ヒト免疫学
,
ゲノム機能学
Keyword:
自己免疫疾患
,
遺伝因子
,
ゲノムワイド関連解析(GWAS)
,
ヒト免疫学
,
ゲノム機能学
pp.1073-1077
発行日 2021年3月13日
Published Date 2021/3/13
DOI https://doi.org/10.32118/ayu276111073
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SUMMARY
免疫が関与する疾患は,稀な遺伝子変異による遺伝性疾患も一部にはあるが,多くは遺伝因子,環境因子など複数の要因が働いて発症する多因子疾患である.以前より,自己免疫疾患では,主要組織適合遺伝子複合体をはじめいくつかの疾患感受性遺伝子が報告されていたが,ここ10年以上にわたってゲノムワイド関連解析(GWAS)を用いて代表的な疾患の疾患感受性遺伝子座の解析が進められてきた.さらに,多くの疾患感受性変異は,遺伝子の発現量に関与することが判明しつつある.病態形成に関わる遺伝子の発現は細胞特異的であることが多く,これにはエピゲノムが密接に関わっている.ゲノム情報は疾患の成立以前から存在しており,疾患(=結果)に対する明確な因果関係を持つ.これらの情報を用いた病態の理解と創薬への応用に関して,ヒト免疫研究におけるゲノム機能学の確立が求められている.本稿では,自己免疫疾患を中心にこれらについて概説する.
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