新春随想
医師の「偏在対策」を考える
小池 晃
1
1日本共産党 参議院議員
pp.33
発行日 2025年1月11日
Published Date 2025/1/11
DOI https://doi.org/10.57527/JUNPO2951013
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医師の「偏在対策」が注目されています。財務大臣の諮問機関である財政制度等審議会(財政審)は、昨年5月に続いて11月の「建議」でも、「過剰地域」の診療報酬の一点単価を引き下げ、医師を不足地域にシフトさせようと主張しています。しかしこれは、「極めて問題の多い提案」(日本医師会・松本吉郎会長)だと思います。 かつては日本でも「地域別診療報酬」がありました。日本福祉大学の二木立名誉教授によれば、1944年に物価高騰対策として地域別診療報酬が導入され、戦後も国民健康保険の財政危機から継続されましたが、日本医師会が「地域差撤廃運動」に取り組み、今では全国一律になっています。二木氏は、「医療政策史的には、この主張は今から60年以上前の1963年に撤廃された『地域別診療報酬』(非都市部での単価を低く設定)の逆方向での復活」と指摘されています(『日本医事新報 12月7日付』)。
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