講座 Oncology・14
固型癌(2)—肺小細胞癌
北原 光夫
1,2
1東京都済生会中央病院内科
2慶応義塾大学医学部・内科
pp.361-364
発行日 1985年2月10日
Published Date 1985/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219639
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肺小細胞癌の疫学
肺小細胞癌(small-cell cancer of the lung,SCLC)は他の肺癌と比較して,臨床的,生物学的に明らかに異なった悪性腫瘍である.最も悪性な肺癌でありながら,治療によく反応する特徴がある.胸郭内の小細胞癌の50%生存は14週,遠隔転移例では7週であったが,近年の化学療法剤と放射線治療により著しく生存期間が延長し,この面での進歩は目ざましいものがある.
SCLCは,喫煙歴と非常に深い関連がある.もちろん男性に多くみられるが,女性の喫煙者が増えるにつれて,女性にもSCLCがみられるようになってきている.また,SCLCはchloromethyl-methyl etherへの被曝,ウラニウム鉱山での就業,放射線被曝と深いつながりがあることが証明されている.
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