今月の主題 手術適応の問題点
他の治療法との関係からみた手術適応
肺小細胞癌
岡田 慶夫
1
1愛知県がんセンター・外科
pp.1272-1273
発行日 1974年10月10日
Published Date 1974/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205604
- 有料閲覧
- 文献概要
肺小細胞癌あるいは小細胞型未分化癌small cell anaplastic carcinomaは,全肺癌の10%内外を占めている1).このものは病理組織学的に2,3の亜型に分けられるが,いずれも悪性度が高く,中でも燕麦細胞型oat cell typeのものは,極めて悪性度が高いことで知られている.わが国のTNM分類委員会の追跡調査でも,小細胞癌の予後は他の型の肺癌のそれに比べて極端に劣っている.それであるから,同委員会の病期分類案では,小細胞癌であることが判明すれば,自動的にIII期として記載することになっている2).
肺小細胞癌は悪性度が高い反面,放射線や制癌剤に対して感受性が高いという特徴を具えている.したがって,本型に属する症例に対しては,このような特徴を考慮しつつ,それぞれの進展度に応じた治療法を選ぶべきである.
Copyright © 1974, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.