特集 いま改めて妊娠高血圧症候群を考える―診療指針改訂のポイントから―
3.HDPの発症予防
大口 昭英
1
A. Ohkuchi
1
1自治医科大学産科婦人科学講座
pp.467-471
発行日 2022年5月1日
Published Date 2022/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002137
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妊娠高血圧症候群の診療指針2015では,「低用量アスピリン療法は,妊娠高血圧症候群の発症予防効果は限定的であり,全妊婦への発症予防を目的とした投与は推奨されない」と記述された。しかしこの5~6年の間に,PEに対する予知法,予防法についてのエビデンスが大きく変化し,妊娠高血圧症候群の診療指針2021では,妊娠初期にFMFアルゴリズムによって早産期発症PEの発症予知が可能であること,さらに,妊娠16週未満からLDAを投与することで早産期発症PEの発症率が62%減少することが示された。その後も,妊娠16週未満から開始されたLDAによるPE予防効果のエビデンスが増加している。
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