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第5土曜特集 内視鏡医学のすべて――各領域における診断・治療の進歩
産科婦人科
子宮内膜症における内視鏡手術
Endoscopic surgery for endometriosis
竹林 明枝
1
,
辻 俊一郎
1
,
村上 節
1
Akie TAKEBAYASHI
1
,
Shunichiro TSUJI
1
,
Takashi MURAKAMI
1
1滋賀医科大学産科学婦人科学講座
キーワード:
子宮内膜症
,
手術
,
不妊
Keyword:
子宮内膜症
,
手術
,
不妊
pp.1178-1183
発行日 2023年9月30日
Published Date 2023/9/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu286141178
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子宮内膜症とは,子宮内腔に存在するはずの子宮内膜組織が子宮外の骨盤腔などで増殖・浸潤する疾患で,生殖年齢の女性の約10%が罹患しているとされる.主たる自覚症状は,月経痛,下腹部痛,腰痛,性交痛,不妊があり,患者のQOLを著しく低下させる疾患である.治療には,保存的治療と外科的治療がある.外科的治療については卵巣子宮内膜症性囊胞,深部子宮内膜症,腹膜病変,疼痛のそれぞれについて有効性が報告されている.ただし,手術により病変を完全に除去・修復することはできず,逆に卵巣機能を損ない妊孕性を低下させることもありうる.そのため,挙児希望のある子宮内膜症患者においては,体外受精との兼ね合いも視野に入れつつ,いつどのような手術を施行するかを決定する必要がある.子宮内膜症は婦人科疾患以外にも,不安定狭心症,心筋梗塞,アテローム性動脈硬化の発症のリスクとなることが明らかになっている.さらに,卵巣子宮内膜症性囊胞は卵巣癌を発症するリスクを内包しており,慎重に管理していく必要がある.
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