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連載 救急で出会ったこんな症例――マイナーエマージェンシー対応のススメ・Vol.18
見逃してはいけない腰背部痛
-――転移性脊椎腫瘍の診断から治療
Don’t miss low back pain
――Diagnosis and treatment of metastatic spinal tumors
山中 卓哉
1
,
松村 福広
2
Takuya YAMANAKA
1
,
Tomohiro MATSUMURA
2
1自治医科大学附属病院整形外科
2自治医科大学救急医学教室
キーワード:
腰背部痛
,
転移性脊椎腫瘍
,
がん
Keyword:
腰背部痛
,
転移性脊椎腫瘍
,
がん
pp.981-987
発行日 2023年9月16日
Published Date 2023/9/16
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28612981
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◎転移性脊椎腫瘍は外来で見逃してはいけない腰背部痛の原因のひとつである.なぜなら,軽微な外傷による病的骨折や腫瘍の増大で脊髄の圧迫を生じ,麻痺や膀胱直腸障害など急激な神経症状の悪化により患者のADLやQOLを大幅に損なうからである.非典型的な腰背部痛やがんの既往歴・治療歴のある患者は積極的に脊椎転移を疑い,画像検査にて診断することが重要である.治療は放射線治療,化学療法,外科的治療などがあり,原疾患の病勢,局所の病態に応じて選択されるが,単一の治療では制御不十分であることが多く,各科が連携し得られる集学的な治療が必要である.
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