特集 ここは見逃すな! 症候からアプローチする母体合併症
7.腰背部痛
金川 武司
1
T. Kanagawa
1
1大阪府立病院機構大阪母子医療センター産科
pp.1107-1113
発行日 2018年10月1日
Published Date 2018/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000592
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妊娠の腰背部痛は,妊婦の約50%に認められる訴えの多い症候の1つである。ほとんどが妊娠に伴う生理的なもので,腰椎あるいは腰背部の筋肉に起因する疼痛である。しかし,腰背部痛のなかには母児の生命にかかわる重篤な疾患に起因する痛みのことがある。これらには,常位胎盤早期剝離,急性大動脈解離,急性心筋梗塞,肺血栓塞栓症,上行性胆管炎,急性膵炎がある。これらを見逃さないためにも,“red flags”(警戒徴候)の有無を確認し,診断を絞り込むために必要な問診,理学的所見の聴取,そして検査を行う丁寧な診断が重要である。
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