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第1土曜特集 人生100年時代を見据えて がんと生活習慣病(心疾患/糖尿病/CKD/MAFLD)を再考する──共通リスク因子,予防・治療の最新アプローチ
慢性疾患とがん
糖尿病治療薬とがんリスク
The possible association between anti-diabetic agents and cancer risk
川北 恵美
1
,
金﨑 啓造
1
Emi KAWAKITA
1
,
Keizo KANASAKI
1
1島根大学医学部内科学講座内科学第一
キーワード:
がん発症進展
,
担がん症例
,
DPP-4(dipeptidyl peptidase-4)阻害薬
Keyword:
がん発症進展
,
担がん症例
,
DPP-4(dipeptidyl peptidase-4)阻害薬
pp.769-776
発行日 2023年9月2日
Published Date 2023/9/2
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28610769
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わが国において糖尿病患者の死因第1位はがんであり,糖尿病治療薬ががんへ与える影響についての検討は重要である.本来,糖尿病治療薬のがんへの影響はイニシエーション(initiation)→プロモーション(promotion)→プログレッション(progression)といった発症進展機構の段階に分けてリスク評価を行う必要がある.したがって,既存の臨床研究における解析結果の限界も認識するべきである.特に,抗糖尿病薬によるがんprogressionへの安全性評価や,担がん症例・がん既往症例に対する情報は十分ではない.本稿では,各糖尿病治療薬とがんリスク増減との関連についての報告や想定されている分子機序などを概説する.日本で最も処方されているDPP-4(dipeptidyl peptidase-4)阻害薬については筆者らの基礎的検討の結果も紹介し,想定されうるがんへの懸念についても簡単に述べたい.
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