特集 エキスパートがお答えします! 日常臨床のあるあるの疑問
第5章:肝・胆・膵
糖尿病は膵がんの危険因子といわれますが,どのような患者のリスクが高いのでしょうか?
中井 陽介
1
,
水野 卓
2
1東京大学 医学部消化器内科
2埼玉医科大学病院 消化器内科・肝臓内科
pp.494-496
発行日 2022年9月1日
Published Date 2022/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika130_494
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お答えします 糖尿病は膵がんの危険因子でもありますが,膵がんの症状でもあります.発症から1~2年以内の新規糖尿病は,長期罹患の糖尿病よりも膵がんのリスクが高いとされています.新規糖尿病の患者数が非常に多いことから,糖尿病発症時年齢,血糖値,体重減少によるスコアリングを用いた高危険群の絞り込みが提案されています.長期罹患の糖尿病においても,膵がんの診断に先行して血糖コントロール悪化・体重減少がみられることが特徴です.
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