巻頭言
ECMO
寺本 滋
1
1岡山大学第二外科
pp.227
発行日 1980年3月15日
Published Date 1980/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203526
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急性の心肺不全に対する処置として種々の方式による補助循環法が現在用いられて効果を収めている。この中で人工心肺を用いた方法が部分体外循環法と呼ばれるものであり,日常ルーチンには開心術に際して固有循環より完全心肺バイパスに,あるいはその反対のときに用いられるもので,ふつう数分間のものであるが,低温併用時あるいは術後低心拍出量症候群の発現時に人工心肺よりの離脱に数時間を要することが稀におこりうる。
急性の心肺不全の中でもとくに肺(呼吸)不全の面に重点をおき,膜型人工肺を組入れて長時間の施用を前提としたECMO(Extracorporeal Membrane Oxygenation)が近来臨床面に応用されてきている。この臨床応用の前提になるものは,膜型人工肺の適用が容易になりまたその機能面からもある程度の評価がなされてきたことであろう。
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