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特集 HFpEF(左室駆出率が保たれた心不全)の病態と治療
HFpEFのカットオフポイントとなるEFを考える
Reconsider the cutoff value of left ventricular ejection fraction to define HFpEF
大手 信之
1
Nobuyuki OHTE
1
1名古屋市立大学医学部附属東部医療センター
キーワード:
HFpEF(左室駆出率が保たれた心不全)
,
左室駆出率(LVEF)
,
左室-動脈カップリング
Keyword:
HFpEF(左室駆出率が保たれた心不全)
,
左室駆出率(LVEF)
,
左室-動脈カップリング
pp.1043-1047
発行日 2023年6月17日
Published Date 2023/6/17
DOI https://doi.org/10.32118/ayu285121043
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心不全はガイドラインに基づき,左室駆出率(LVEF)によって,①HFrEF(左室駆出率が低下した心不全,LVEF≦40%),②HFmrEF(左室駆出率が軽度低下した心不全,40<LVEF<50%),③HFpEF(左室駆出率が保たれた心不全,LVEF≧50%)の3つのカテゴリーに分類される.では,なぜ心不全をLVEF=40%,LVEF=50%を用いて層別することになったのか.HFrEFをLVEF≦40%の心不全として層別する意義は,抗心不全薬の予後改善作用に関する大規模臨床研究の結果から納得のいくものであろう.では,HFmrEFとHFpEFの境界はLVEF=50%で妥当なのか.本稿ではこの閾値を再考した.両病態をLVEF=60%を閾値として分けると,LVEF<60%とLVEF≧60%ではHFpEFの背景,病態,予後が異なる.抗心不全薬の予後改善効果,心臓力学的考察に基づいて心不全分類を俯瞰するとき,HFmrEFを規定するLVEFを40~59%,HFpEFはLVEF≧60%と考えたい.
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