Japanese
English
特集 MINOCAの病態・診断・治療
血管内イメージから診るMINOCA
Vascular properties in MINOCA
樽谷 玲
1
,
田中 篤
1
Akira TARUYA
1
,
Atsushi TANAKA
1
1和歌山県立医科大学循環器内科
キーワード:
冠動脈閉塞を伴わない心筋梗塞(MINOCA)
,
光干渉断層法(OCT)
,
プラーク破裂
,
プラークびらん
,
石灰化結節
,
血栓
,
冠攣縮性狭心症
Keyword:
冠動脈閉塞を伴わない心筋梗塞(MINOCA)
,
光干渉断層法(OCT)
,
プラーク破裂
,
プラークびらん
,
石灰化結節
,
血栓
,
冠攣縮性狭心症
pp.988-993
発行日 2023年6月10日
Published Date 2023/6/10
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28511988
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MINOCAは “冠動脈閉塞を伴わない心筋梗塞” と定義されるが,①暫定診断病名として用いられている場合と,②確定診断病名として用いられている場合の2パターンがあり,MINOCAと記載があってもその点に留意する必要がある.確定診断としてのMINOCAの原因として,冠動脈壁性状の異常によるもの,冠攣縮によるもの,冠微小循環障害によるものに大別されるが,軽度から中等度狭窄(狭窄度50%以下の狭窄)を有している症例も多くみられる.光干渉断層法(OCT)や血管内超音波(IVUS)を用いた報告では,MINOCA症例の約半数に冠動脈壁性状の異常があると報告されている.その形態は多岐にわたり,プラーク破裂,プラークびらん,石灰化結節,特発性冠動脈解離(SCAD),血栓などが報告されている.また冠攣縮によるMINOCAでは,非発作時においても特徴的所見として中膜の肥厚や,それに伴う歪な血管内腔形態を認めることが明らかにされ,その歪さを定量化し,誘発せずに攣縮部位を同定する試みもなされている.一方で,血管内イメージングから得られた情報を基にしたMINOCAに対する二次予防法については現在確立されておらず,今後,検討を行っていく必要がある.
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