Japanese
English
TOPICS 社会医学
医療イノベーションは “解決に値する” 課題の設定からはじまる
-――医療機関が担いうる新しい社会的意義
Medical innovation starts from the needs, in the hospital
中川 敦寛
1,2,3,4,5
,
志賀 卓弥
5
,
冨永 悌二
4
Atsuhiro NAKAGAWA
1,2,3,4,5
,
Takuya SHIGA
5
,
Teiji TOMINAGA
4
1東北大学病院産学連携室(Experience Design and Alliance Section:EDAS)
2同臨床研究推進センターバイオデザイン部門
3同未来医療人材育成寄付部門
4同大学院医学研究科神経外科学分野
5同高度救命救急センター
pp.1014-1016
発行日 2023年6月10日
Published Date 2023/6/10
DOI https://doi.org/10.32118/ayu285111014
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イノベーションは単一のシーズ展開・製品型からソリューション型にシフト
医療イノベーションの定義を,「優れた科学的知見,テクノロジーにより日常臨床,広くは医療やヘルスケアにおける手段が何かしらの指標でよい方向に改善したこと」とすると1),過去30年の間にイノベーションの起こし方は大きく変化した.近年,テクノロジーの進歩が加速する一方,少子高齢社会の進行に伴う医療費高騰,医療ヘルスケアを支えるさまざまな資源の減少など,社会課題は複雑化している.こうした背景もあり,ひとつの優れた科学的知見,シーズの開発を,研究者・研究室を軸にして進めるものでは,根源的,かつ効果的に課題を解決することが難しくなった.世界的にみても,多様な背景を持つ優秀な人材・集団が領域・組織をまたいで,“解決に値する” 課題に対して一定時間大きな資源を投入して共創(co-creation)する形をとるものが増加した.
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