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第1土曜特集 抗体医薬の進歩と課題
リード抗体取得・エンジニアリング技術
【可変領域】
モノクローナル抗体作製クロニクル
-――効率的なヒト抗体医薬品シーズの取得を目指して
The history of the methods to efficiently generate human antibody drug candidates
登内 奎介
1,2
,
高橋 宜聖
1
Keisuke TONOUCHI
1,2
,
Yoshimasa TAKAHASHI
1
1国立感染症研究所治療薬ワクチン開発研究センター
2早稲田大学先進理工学研究科生命医科学専攻
キーワード:
B細胞
,
モノクローナル抗体
,
タンパク工学
,
遺伝子工学
,
シングルセル
Keyword:
B細胞
,
モノクローナル抗体
,
タンパク工学
,
遺伝子工学
,
シングルセル
pp.848-854
発行日 2023年6月3日
Published Date 2023/6/3
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28510848
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抗体医薬品はがんや自己免疫疾患,感染症など,さまざまな疾病に対して有効な治療薬として年々関心が高まり続けている.抗体医薬品シーズの探索は,その供給源であるB細胞を用いて行われる.B細胞からモノクローナル抗体を作製できるようになったのは,1975年にハイブリドーマ法が確立されてからのことである.その後,ファージディスプレイ法やヒト抗体発現マウスのような,ヒト抗体シーズの探索に有用な技術基盤が整備されていった.近年では,抗体遺伝子を抽出するだけで,単一のB細胞から組換えモノクローナル抗体を作製できるようになり,B細胞の培養手法の体系化やシングルセル解析技術の発展に伴う数々のハイスループットなスクリーニング手法の確立とあわせて,ヒト抗体医薬品シーズの取得効率は各段に向上している.また,ヒト抗体医薬品シーズの取得技術の向上は,抗体の基本的な性状や免疫学的な知見の集積にも貢献し,抗体医薬品の創出だけにとどまらない新たな恩恵を生み出している.
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