Japanese
English
特集 エムポックス(サル痘)の疫学・感染経路・症状・診療指針
国内外のエムポックスの流行と対策
Domestic and global epidemics and countermeasures of Mpox
太田 雅之
1
,
齋藤 智也
1
Masayuki OTA
1
,
Tomoya SAITO
1
1国立感染症研究所感染症危機管理研究センター
キーワード:
国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)
,
男性間性交渉者(MSM)
,
痘そうワクチン
,
テコビリマット
,
性感染症対策
Keyword:
国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)
,
男性間性交渉者(MSM)
,
痘そうワクチン
,
テコビリマット
,
性感染症対策
pp.655-660
発行日 2023年5月13日
Published Date 2023/5/13
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28507655
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オルソポックスウイルス属のエムポックスウイルス(MPXV)による急性発疹性疾患であるエムポックスは,以前はサル痘(monkeypox)として,アフリカの一部の国に常在する人獣共通感染症として知られ,アフリカ外では輸入感染症として散発例がみられていた疾患である.2022年5月以降,欧米を中心に常在国への渡航歴のない男性間性交渉者(MSM)の集団において世界的な流行がみられた.2022年後半以降,行動変容,高リスクグループのなかでの免疫形成,ワクチン接種など,複数の要因によって世界的には減少傾向にあるものの,わが国においても2022年末以降,海外渡航と関連のない症例が主流となるなど,一部の国では依然として報告は続いている.WHOは今後,すべての国が迅速かつ持続的に短期的な対策を講じるとともに,ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症や性感染症対策への段階的な統合など,ヒト-ヒト感染を排除するための長期的な対策をはじめる必要があるとしており,国内でも検査,ワクチン,治療薬など対策の整備が進められている.
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