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特集 エムポックス(サル痘)の疫学・感染経路・症状・診療指針
エムポックスの予防
Prevention of mpox(monkeypox)
氏家 無限
1
Mugen UJIIE
1
1国立国際医療研究センター国際感染症センター
キーワード:
LC16
,
MVA-BN(modified vaccinia Ankara-Bavarian Nordic)
,
曝露前予防
,
曝露後予防
Keyword:
LC16
,
MVA-BN(modified vaccinia Ankara-Bavarian Nordic)
,
曝露前予防
,
曝露後予防
pp.671-675
発行日 2023年5月13日
Published Date 2023/5/13
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28507671
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1980年に根絶が確認された天然痘に対する予防接種対策の中止の影響などから,近年,アフリカにおいて新たなクレードⅡbのエムポックスウイルス(MPXV)による感染患者の増加が報告されてきた.2022年5月より,アフリカ以外の地域で男性間性交渉者(MSM)を中心としたエムポックス(サル痘)の流行を認め,世界保健機関(WHO)は欧米および日本などで天然痘の対策として備蓄されてきたMVA-BN(modified vaccinia Ankara-Bavarian Nordic)およびLC16ワクチンを用いた予防対応を推奨している.1975年に天然痘ワクチンとして日本で承認された弱毒生ワクチンであるLC-16は,2022年8月にエムポックスの予防適応が追加承認された.2023年2月現在,市場流通がないため,臨床研究を通じてエムポックス患者への接触者に対する曝露後予防接種が国立国際医療研究センター(NCGM)で実施されている.今回,世界的に流行したエムポックスは,免疫不全者以外では軽症の転帰がほとんどであるが,適切な診断や治療の提供と同時に,感染ハイリスク者における効果的な予防教育および予防接種が流行の抑制に重要となる.
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