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特集 エムポックス(サル痘)の疫学・感染経路・症状・診療指針
エムポックスの治療
Current therapeutic strategy of mpox
森岡 慎一郎
1
Shinichiro MORIOKA
1
1国立国際医療研究センター病院国際感染症センター国際感染症対策室
キーワード:
エムポックス
,
治療薬
,
テコビリマット
Keyword:
エムポックス
,
治療薬
,
テコビリマット
pp.667-670
発行日 2023年5月13日
Published Date 2023/5/13
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28507667
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エムポックス(サル痘)患者に対する治療は,支持療法と疼痛コントロールが原則である.しかし,免疫不全者,ワクチン接種歴,併存疾患などの要因により重症化する場合がある.重症例や重症化ハイリスク者に該当する患者は,テコビリマットを軸とした治療が推奨されている.また,米国CDCでは重症例や重度免疫不全患者にはテコビリマットと他薬剤の併用療法を推奨している.他薬剤にはシドフォビル,ブリンシドフォビル,ワクシニア免疫グロブリン製剤(VIG)が含まれる.わが国ではエムポックス新規患者数が上昇傾向にあり,治療薬として輸入したテコビリマットを,国立国際医療研究センター病院を含む全国7医療機関において投与できる体制が構築された.これにより,全国でエムポックス患者が発生しても世界標準的な治療が提供できる体制が整備された.今後は,重症エムポックス患者や重症免疫不全のあるエムポックス患者への治療提供体制の強化が望まれる.
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