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TOPICS 神経内科学
大脳皮質一次体性感覚野アストロサイトmGluR5による神経ネットワーク再編と慢性疼痛
Emergence of mGluR5 in the primary sensory cortex astrocytes triggers network remodeling and neuropathic pain
小泉 修一
1
Schuichi KOIZUMI
1
1山梨大学大学院総合研究部医学域薬理学講座,GLIAセンター
pp.606-608
発行日 2023年2月25日
Published Date 2023/2/25
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28408606
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神経障害性疼痛は,原因に不明点が多く,治療法も確立されていない難治性の慢性疼痛である.多くの場合,非ステロイド性抗炎症薬(non-steroidal antiinflammatory drugs:NSAIDs)に抵抗性で,麻薬性鎮痛薬も奏効しないことが多く,その病因解明,治療法開発は急務である.今から15年以上前に,神経障害性疼痛が脊髄後角ミクログリアの異常に起因する,という疼痛研究のパラダイムシフトが起こり,本研究分野は飛躍的に発展した1).しかし,神経障害性疼痛におけるミクログリアの役割は多様で2),また脊髄より上位の中枢の重要性も示唆されている.本稿では,大脳皮質一次体性感覚野(primary sensory cortex:S1)におけるもうひとつのグリア細胞 “アストロサイト” によるS1シナプス/ネットワーク再編と,神経障害性疼痛について最近の知見を解説する.
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