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特集 医師が知っておくべき薬物相互作用の最近の話題
特定の背景を有する患者における薬物相互作用
-――薬理遺伝学的多型,腎障害,肝障害
Drug interactions in patients with specific backgrounds
――Pharmacogenetic polymorphisms, renal impairment, hepatic impairment
岩本 卓也
1
Takuya IWAMOTO
1
1三重大学医学部附属病院薬剤部
キーワード:
薬物相互作用
,
薬理遺伝学的多型
,
腎障害
,
肝障害
Keyword:
薬物相互作用
,
薬理遺伝学的多型
,
腎障害
,
肝障害
pp.535-541
発行日 2023年2月18日
Published Date 2023/2/18
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28407535
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特定の背景を有する患者とは一般に,合併症・既往歴などのある患者,腎機能障害患者,肝機能障害患者,生殖能を有する者,妊婦,授乳婦,小児,高齢者など,薬物治療を行ううえで配慮が必要な患者を指す.また薬理遺伝学的に薬物代謝や排泄が遅いタイプ,副作用が強く出現するタイプの患者集団も特定の背景として認識すべきである.薬物動態が変動するこれらの集団では,基質や阻害薬の体内蓄積により,薬物相互作用の強度の予測が難しいケースが多い.薬理遺伝学的多型では,薬物代謝酵素や薬物輸送タンパクの活性や発現量の変動により,基質や阻害薬の排泄遅延が起こり,相互作用の強度が高まるリスクがある.腎障害患者では,基質や阻害薬が腎排泄型である場合や腎毒性のある基質に注意が必要である.また肝障害を有する患者では,患者の肝臓の予備能を把握し,肝代謝型薬物の相互作用の影響を予測する必要がある.
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