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特集 最近のトピックス1996 Clinical Dermatology 1996
4 治療のポイント
薬物相互作用
Drug interactions
中野 重行
1
,
松木 俊二
1
Shigeyuki NAKANO
1
,
Shunji MATSUKI
1
1大分医科大学臨床薬理学教室
1Department of Clinical Pharmacology and Therapeutics, Oita Medical University
キーワード:
薬物相互作用
,
薬物併用
,
薬物有害反応
,
合理的薬物投与法
Keyword:
薬物相互作用
,
薬物併用
,
薬物有害反応
,
合理的薬物投与法
pp.171-179
発行日 1996年4月15日
Published Date 1996/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901862
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薬物治療では薬物が併用されることが多く,薬物相互作用を生じて,薬理作用が増強したり,減弱することがある.薬理作用の強さは,作用部位の薬物濃度と生体の薬物に対する感受性により規定される.作用部位の薬物濃度は,血中薬物濃度に依存し,薬物の吸収,分布,代謝,排泄により規定される.そこで薬物が,他の併用薬物の吸収,分布,代謝,排泄に影響を与えるならば,その薬物の作用部位における薬物濃度に変化が生じ,薬理作用を増強したり減弱することがある(薬物動態学相で生ずる薬物相互作用).また,生体の薬物感受性の変化や,同じ薬理作用を生ずる系での作用の増強または減弱を生ずることもある(薬力学相で生ずる薬物相互作用).薬物相互作用の発現には,病態像(肝障害や腎障害など),血漿蛋白量,年齢的要因なども関与する.薬物相互作用の発現メカニズムと可能性ある組み合わせを知っておくと,薬効を高め,薬物有害反応を防ぐのに役立つ.
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