Japanese
English
原著
肝・腎機能障害を伴った伝染性紅斑の成人例
Adult cases of erythema infectiosum associated with hepatic and renal disturbance
越後 岳士
1
,
福井 米正
1
,
高枝 知香子
2
,
竹田 慎一
2
Takeshi ECHIGO
1
,
Yonemasa FUKUI
1
,
Chikako TAKAEDA
2
,
Shin-ichi TAKEDA
2
1黒部市民病院皮膚科
2黒部市民病院内科
1Dermatology, Kurobe City Hospital
2Department of Internal Medicine, Kurobe City Hospital
キーワード:
伝染性紅斑
,
パルボウイルスB19
,
肝障害
,
腎障害
,
血球貪食症候群
Keyword:
伝染性紅斑
,
パルボウイルスB19
,
肝障害
,
腎障害
,
血球貪食症候群
pp.865-869
発行日 2000年10月1日
Published Date 2000/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412903368
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1998年3月から10月にかけて伝染性紅斑の成人例63例を経験した.顔面に皮疹を認めない例がしばしばみられ,手足・四肢には網状紅斑のみならず,びまん性の潮紅を示したり出血斑を呈するなど非特異的皮疹を示すことが多く,関節痛や浮腫感,感冒症状など全身症状も合併した.本症の好発年齢は学童期であるが,成人例では学童期と異なる主訴・臨床像を呈するため,臨床症状のみで確定診断をすることが困難であり,同症であることを見逃されるケースが多いと考えられる.そこで,確定診断には血清パルボウイルスB19-IgM抗体価の測定が有用であると考えた.また,肝機能障害を14例,腎機能障害を5例に認め,腎生検では急性糸球体腎炎を示したが,いずれも一過性の障害で,無治療にて軽快した.
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