FORUM グローバルヘルスの現場力・Vol.15
タイ北部におけるHIV感染者ケア強化事業
-――サンパトンモデルの形成
北島 勉
1
1杏林大学総合政策学部,同大学院国際協力研究科医療協力専攻
pp.308-312
発行日 2023年1月28日
Published Date 2023/1/28
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28404308
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タイ北部チェンマイ県の県庁所在地であるチェンマイ市から車で南に1時間くらいのところに,サンパトン郡がある.いたるところに竜眼の木があるのどかな農村地域において,2017~2019年にかけて,JICA草の根技術協力(支援型)「北タイの保健センターにおけるHIV感染者ケアの強化事業」が実施された1).このプロジェクトでは,サンパトン病院のAIDSクリニックで抗レトロウイルス療法(antiretroviral therapy:ART)を受療している患者のうち,状態が安定している患者については,郡内にある保健センターでフォローするという,ART提供におけるタスクシフティングの体制を再構築・強化し,HIV感染者がARTの服薬を継続しやすくすることを目的として活動が行われた.プロジェクトを通して整備されたART提供の仕組みは “サンパトンモデル” とよばれ,今後,チェンマイ県内での普及が期待されている.
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