スマホアプリを活用した糖尿病重症化予防の取り組み

Improve diabetes management with smartphone apps

◎糖尿病診療においては患者のセルフケア能力を高めることが重要であり，スマホアプリ活用の有効性について研究が進められている．アプリ活用により心理，行動変容，受診状況，検査値などに効果があるとの報告がある．研究に用いられたアプリには，目標設定，セルフモニタリング，ソーシャルサポートなどの行動科学理論に基づく要素が組み込まれており，個別化されたフィードバックが有用である．筆者はIoT機器からの情報をもとに自動フィードバックする「七福神アプリ」の開発と検証，特定保健指導動機付け支援リピーターに対し市販のアプリ6種から選択して導入するDOUKI-APP Studyを実施し，初回面接時の導入支援によりアプリ利用率が向上し体重や行動変容への好影響を観察した．指導者のリテラシー向上とニーズに合ったアプリ開発，診療の動線への組み込みが必要である．アプリで得られたビッグデータ解析により，患者特性に合わせたよりよい保健指導や医療の提供につながる可能性が期待される．