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特集 小児COVID-19関連多系統炎症性症候群(MIS-C/PIMS)の診療
MIS-C/PIMSの疫学
Epidemiology of MIS-C/PIMS in pediatric patients
清水 博之
1
Hiroyuki SHIMIZU
1
1藤沢市民病院臨床検査科
キーワード:
小児多系統炎症性症候群(MIS-C/PIMS)
,
疫学
,
mRNAワクチン
Keyword:
小児多系統炎症性症候群(MIS-C/PIMS)
,
疫学
,
mRNAワクチン
pp.268-271
発行日 2023年1月28日
Published Date 2023/1/28
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28404268
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世界中で猛威を奮っている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は,特に高齢者や基礎疾患のある人が重症化しやすい.幸い小児は無症状あるいは軽症が多いと認識されていたが,感染者数が増加するに従い,重症化する症例が報告されるようになった.新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染後にショックを伴う川崎病に類似した症状を呈する小児多系統炎症性症候群(MIS-C/PIMS)は,感染から2~6週間後に発症する免疫応答が関与した病態である.欧州,米国をはじめ多くの国と地域から報告され,特に黒人やヒスパニック,あるいはラテンアメリカ人はMIS-C/PIMS発症リスクが高い.一方で,日本人含むアジア人の報告は少なく,顕著な人種差が存在する.また,デルタ株からオミクロン株に変異が進み,MIS-C/PIMSの報告数は減少した.小児にも適応拡大されたmRNA(messenger RNA)ワクチンはMIS-C/PIMSの発症を抑制することが示されており,小児のワクチン接種が推奨される根拠のひとつである.
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