特集 令和の脳卒中ディベート10番勝負—脳卒中治療ガイドライン2021とその先を識る
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脳卒中の遺伝子研究—RNF213関連疾患
岡﨑 周平
1
1大阪大学大学院医学系研究科神経内科学
キーワード:
RNF213
,
ミステリン
,
RNF213関連血管症
,
もやもや病
,
頭蓋内動脈狭窄症
Keyword:
RNF213
,
ミステリン
,
RNF213関連血管症
,
もやもや病
,
頭蓋内動脈狭窄症
pp.590-594
発行日 2023年3月10日
Published Date 2023/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402228821
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Point
◎RNF213遺伝子は,もやもや病の感受性遺伝子として発見され,日本では,もやもや病患者の80〜90%がRNF213 p.R4810K多型を有している一方で,健常人の1〜2%も本多型の保因者である.
◎RNF213蛋白は,ユビキチン化機能とATP分解能を有するE3ユビキチンリガーゼで,標的となるさまざまな蛋白質をユビキチン化することで,炎症反応,抗菌活性,脂質代謝などのシグナル伝達経路を調整していると考えられている.
◎RNF213遺伝子多型は,もやもや病だけでなく,頭蓋内動脈狭窄症や,アテローム血栓性脳梗塞,肺高血圧症,冠動脈疾患,高血圧症などの発症や予後と関連があり,RNF213関連血管症という新しい疾患概念が提唱されている.
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