Japanese
English
第5土曜特集 細胞死のすべて――そのメカニズムと,生命現象・疾患との関わり
細胞死を応用した創薬
TRAIL創薬
Drug discovery of TRAIL
吉田 達士
1
,
酒井 敏行
2
,
奥田 司
1
Tatsushi YOSHIDA
1
,
Toshiyuki SAKAI
2
,
Tsukasa OKUDA
1
1京都府立医科大学分子医科学教室(分子生化学部門)
2同創薬医学(創薬センター)
キーワード:
TRAIL
,
DR5
,
DR4
,
アポトーシス
,
がん
Keyword:
TRAIL
,
DR5
,
DR4
,
アポトーシス
,
がん
pp.531-538
発行日 2022年10月29日
Published Date 2022/10/29
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28305531
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Tumor necrosis factor-related apoptosis-inducing ligand(TRAIL)はTNFファミリーに属するサイトカインであり,がん細胞にアポトーシスを誘導するが正常細胞にはほとんど影響を及ぼさないという独特な性質から,リコンビナントTRAILおよびTRAIL受容体のアゴニスティック抗体が有望な抗がん剤として開発されてきた.数多くの臨床試験phase ⅠおよびⅡが行われ,これらの薬剤の安全性は確認できたが,十分な臨床的有用性の確立にまでは至らなかった.しかし,非小細胞肺がん(NSCLC)に対してはリコンビナントTRAILおよびその誘導体がphase Ⅲ試験に入り,より抗腫瘍効果を高めるための改変やTRAIL発現誘導薬の開発といった新しい戦略が続けられており,今後の展開が期待される.本稿では,TRAILの基本的機能,実施された臨床試験,そして今後の展望について述べる.
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