Japanese
English
- 有料閲覧
PPV購入案内
1,320円 (1,200円+税10%) こちらは、1291ページから1296ページの文献です。購入には医書.jp本会員登録が必要です。
会員登録完了後に改めて上記「購入サイトへ」を選択してください。
または「購入サイトへ」選択後に「購入ログイン」、「新規会員登録」の順に進んでください。
会員登録について詳しくはをご確認ください。
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
Trail Making Test(TMT)とは,1枚の紙に書かれた1から25までの数字などの指標を順に鉛筆でなぞるという簡易な認知機能検査である4)。TMTは1950年代に開発され神経内科領域で主に前頭葉機能を評価するために使用されてきた。
TMTは従来脳障害の判定に有用であるといわれており,左半球障害者や前頭葉障害者などではカテゴリーチェンジのないTMT-Aに比してカテゴリーチェンジのあるTMT-Bの成績が極端に悪くなると考えられている。TMT-A,B課題双方ともに成績が低下する場合には,情報処理あるいは注意力の全般的機能障害が示唆される。統合失調症患者においてもA,B課題双方ともに成績が低下し,A課題の障害に比してB課題の障害が高度であるという報告が多い。
梶本らはタッチパネルディスプレイを用いてTMTをコンピュータ化したAdvanced Trail Making Test(ATMT)を開発した2)。ATMTは原版のTMTを改変して,visuospatial working memory(VWM)の定量評価を可能にした。ATMTは原版のTMTと比べいくつかの利点がある。(1)タッチパネル上に表示された数字ボタンに直接指で触れて課題を遂行するようにし,1回のボタン押しごとの反応時間測定を可能にした。(2)数字ボタンを25までに限定せず長時間の連続測定を可能にした。(3)数字ボタンの位置が固定され,VWMにより成績向上が可能な課題(ATMT-B課題)と数字ボタンの位置が1回のボタン押しごとに変化し,課題の遂行が視覚的探索のみによる課題(ATMT-C課題)とを作成し,両者の比較によりVWMの定量評価を可能にした。ATMTは短時間で大量かつ定量性の高いデータを得られる上に,課題の教示がほとんど不要なため容易に検査を施行でき,小児から高齢者までさまざまな精神疾患へ応用可能と考えられる。
本論文では,ATMTによるVWMの評価方法を概説する。さらに,健常者と統合失調症患者の少数例でVWMの評価を予備的に開始しており,その結果について述べる。

Copyright © 2003, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.

