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第5土曜特集 細胞死のすべて――そのメカニズムと,生命現象・疾患との関わり
細胞死を応用した創薬
アポトーシス抵抗性BCL2ファミリー阻害薬BH3-mimetic drugsの基礎と臨床
Basis and clinical evidence of BH3-mimetic drugs against anti-apoptotic BCL-2 family of proteins
黒田 純也
1
Junya KURODA
1
1京都府立医科大学大学院医学研究科血液内科学
キーワード:
BH3-mimetics
,
BCL-2
,
ベネトクラクス
,
がん
Keyword:
BH3-mimetics
,
BCL-2
,
ベネトクラクス
,
がん
pp.518-523
発行日 2022年10月29日
Published Date 2022/10/29
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28305518
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アポトーシス抵抗性の獲得はがんの病態形成,ならびに薬物療法の効果に多大な影響を与える.よって,ミトコンドリア介在性アポトーシス経路,細胞内因性アポトーシス経路を制御するBCL-2(B-cell lymphoma 2)ファミリー分子の治療的制御は,がん薬物療法における科学的合理性に適った治療標的のひとつである.今世紀初頭,アポトーシス抵抗性,ならびにアポトーシス促進性の各種BCL-2ファミリー分子の分子間相互作用と発現・活性制御に関する研究が躍進し,アポトーシス抵抗性BCL-2ファミリー分子に拮抗するBH3-only proteinを模倣したBH3-mimetic drug(mimetic)が創薬された.なかでもBCL-2に選択的なベネトクラクスは各種の造血器悪性腫瘍に対して臨床効果を発揮している.Bench-to-bedsideを実現したBH3-mimeticsのさらなる多様な治療戦略の開発,多彩な新規BH3-mimeticsの開発による各種悪性腫瘍の治療アウトカムの改善が期待される.
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