特集 遺伝子・タンパク質のファミリー・スーパーファミリー
7.酵素・酵素阻害剤
酵素阻害剤
プロテアーゼ阻害剤
クーニッツタイププロテアーゼ阻害剤スーパーファミリー
寺田 成之
1
1福岡大学理学部化学科生物化学教室
pp.508-509
発行日 1995年10月15日
Published Date 1995/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425900985
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[構成員]セリンプロテアーゼ(トリプシン,キモトリプシン,サブチリシン,プラスミノーゲンアクチベータ,エラスターゼ)阻害剤ファミリー,α-アミラーゼ/サブチリシン双機能性阻害剤ファミリー,酸性プロテアーゼ阻害剤ファミリー,システインプロテアーゼ阻害剤ファミリー,非阻害剤ファミリー(貯蔵タンパク質,味覚修飾タンパク質,損傷誘導タンパク質が含まれる)
概説
1946年,Kunitzによって結晶として単離され,小出ら1)によって構造決定がなされた大豆トリプシン阻害剤は,クーニッツ型プロテアーゼ阻害剤ファミリーとして最初のもので,トリプシン以外にキモトリプシンを弱く阻害する。その後多くのマメ科植物から相同なセリンプロテアーゼ阻害剤が単離された。さらに,α-アミラーゼとサブチリシンを阻害する双機能性阻害剤,酸性プロテアーゼやシステインプロテアーゼ阻害剤,貯蔵タンパク質,味覚修飾タンパク質,損傷誘導タンパク質など機能を異にする様々なタンパク質群がクーニッツ型に属することが示され2),これらが一大ファミリーを形成するに至った。図1にはクーニッツ型タンパク質の系統樹を示す。シカクマメアルブミンを別にすれば,これらはセリンプロテアーゼ阻害剤群,ジャガイモ酸性プロテアーゼ/システインプロテアーゼ阻害剤群,貯蔵タンパク質群の3群に大別され,同じプロテアーゼ阻害剤とはいっても前二者は進化のラインが異なるようである。
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